【萩本欽一】欽ちゃんの真実【ドンといってみよう！】 - 激やせ日記　～ケンコウヲトリモドセ～

一週間の視聴率が総合100%だったことから視聴率100%男と呼ばれる。番組の顔としての役割もこなし、「欽ちゃんの番組」「テレビで欽ちゃんやってる」と世間で愛された。今では考えられないがテレビはたった一人の男を中心に回っていた。

主な引用は
著作「まだ運はあるか」
テレビ朝日スマステーション
　　http://www.tv-asahi.co.jp/ss/242/special/top.html
他、欽ちゃん後輩たちのテレビでの証言など

テレビバラエティーの完成者

欽ちゃんがテレビに導入したものは数多い。
素人いじり・２４時間テレビ初代総合司会・制作会社のオーナー・女性アシスタント・座つきの作家・ハガキ読み・ピンマイクなどなど。欽ちゃんがいなければ放送業界の今はなかった。大げさではなく、間違いなくテレビラジオ・放送業界のバラエティー番組の形はもっと小さなものだっただろう。

素人いじり
素人の面白さを意図して引き出し、それを多用したのも欽ちゃん。
「演技のボケは難しいから、素人を連れてくるほうが簡単」。
出典 www.gettyimages.com

テレビマンユニオン | TV MAN UNION
制作会社大手。設立当初からの主要株主。

女性アシスタント
「スター誕生」の司会の際、自ら導入。
それまでは司会を2人おくと能無しに見られるので敬遠されていたが、それを知らずディレクターに「司会できないのでだれかを置いてくださいといっちゃった」。
出典 www.gettyimages.com

ピンマイク
ブロードウェイの稽古を見学した際、演者が使っているピンマイクを見かけた。あれは便利だと思い「どこに売ってるのか」と聞くと、彼らは笑った。「君の国のものじゃないか」と、それはＳＯＮＹ製のピンマイクだった。

パジャマ党
パジャマ党という作家集団を作る。欽ちゃん番組のための座付き作家集団だった。
その名は会議室の考え込む空気が悪かったため「明日からパジャマ着てやろう」と会議をパジャマでやり始めたことから。
その後パジャマ党の作家たちははテレビを支える重要な人物としてそれぞれ活躍している。
出典 www.gettyimages.com

欽ちゃんのドンといってみよう！（ラジオ版）
ハガキを読み上げるという、ラジオでは当たり前のスタンスを開発したのも欽ちゃん。ここからハガキ職人などの文化が成立していった。ハガキ読みの手法が開発されなければトークで時間を埋められないパーソナリティーは多いはずで、ラジオは流行らなかっただろう。

「お茶の間」という顧客

当時の日本は、だいたい一家に一台カラーテレビがあったが、お茶の間(＝リビング＝テレビの部屋)にあるため、みんなで見られる番組は欽ちゃんの番組ぐらいだった。
ドラマはお父さん向き・お母さん向き・子ども向きと作品の内容によって家族の誰かしか楽しめないからだ。

また欽ちゃんの番組はシモネタがほとんどないので家族みんなで見られ、笑いが難しくなく人を選ばないので、老若男女が笑って見られた。

結果、それまでのドラマ全盛(’70年代前半はドラマが、テレビの全放送の70％はあった)から、欽ちゃんを主人公にしたバラエティーがテレビの主力になっていく。

才能を見抜く独特の眼力

「番組を当てるには、デキる人間だけを集めても決して成功しない。デキる人間をキャスティングしたら、必ずデキない人間もいれる。そうすることでバランスが取れ、運を招くことができる」そうして合格したのが長江健次。

まだスマップが売れてない頃、欽ちゃん劇団に稽古に出向いた。
好きな食べ物は？の質問に、木村拓哉が「お母さんの作ったおいなりさん」と答えたのを、欽ちゃんはスーパースターになると見抜いた。
しかし木村は「おいなり君」と欽チャンに呼ばれるのがいやで、レッスンに行かなくなった。

また稽古を熱心に行う草薙の役者としての才能も見抜いていた。

見栄晴の欽ちゃん劇団入団の際、最後に残った３人にはじゃんけんで決めさせた。「そのほうが仕方ないって諦めがつくし、元気に家に帰れるじゃない。それにコイツは僕はパーで勝ちましたっていえるし」

不合格者のもとに、後でスタッフに電話をかけさせ、まっすぐ家に帰っていたら合格ということもあった。その時家に帰っていて合格したのが柳葉敏郎。
「真っ直ぐに家帰る奴は、運が相当溜まってるね。仕事がない奴と金がない奴しか、真っ直ぐ帰らないからね」

運命論者として

運は、仕事・お金・健康・家族・友達、その中からひとつしか得られない。そのうちのひとつでも上手くいってしまうと、残りは全てが不幸となる

どうしても仕事で成功したかった時、あえて不幸を望んでいたことがある。ゴルフに行っても雨が降れば大喜びでずぶぬれでラウンドし、晴れているとそのまますぐに帰ってしまった。

運は人が運んでくる

「不幸な人は、運が溜まっている」

「演技なんか見ない。お前たいした大学じゃないから不運。合格！」

足を怪我をした猫を飼っていた。「この猫はうちの不幸を背負ってくれているんだ。大切にしないとダメだぞ」と家族に言っていた。

奥さんに「おいしい飯だけは作らないでくれ」と注文をつけていた。
おいしいご飯がある幸せな家庭があるようでは、仕事がうまくいかないから。

仕事がうまく行き過ぎて、危険を感じた欽ちゃんは金魚を200匹買ったことがある。「何か悪いことがあっても、こいつらが引き受けてくれる」。

運は追っかけると逃げていく、惚れてる相手にするように、運はがっつかずにじっと待つもの。

運は後ろからやってくる、成功は背中を叩く。

人生はチャラ。生涯を全部幸運で行く人なんて一人もいない。貧乏したのは16年、で有名になってちょうど16年目で運が終わった。

悪魔は神様の一番の天使だった。かなうわけがない、だけど特徴がある。直進するんだ。だから曲がったり戻ったりすると悪魔を振り切れる。

マンションを購入したプロデューサーに鍵を捨てさせた。
すると次の週から一気に視聴率が上がった

「運って、みんなが平等に同じように持ってて、みんなが同じように使える。ただ、運を使えないって人はいる。意地悪だったりずるかったり、がっつくってとこには運はこない。みんなが平等に運を使ったら、こんなに世の中辛かったり悲しいはずがない。ずるかったり意地悪な人が多いんだと思いますよ」(萩本さん)
出典 smaSTATION トクベツキカク

他に類を見ない爽やかな感性

「忠臣蔵は最後斬っちゃうからいけない。許さないと。たどり着くことが大切なのだから」
出典『まだ運はあるか』

失礼がないか、茶の間で怪我をしていないか。

「まて、あの人がああ言ってくれてる」

人の耳が痛い意見もありがたく受け入れる。

絶対「うるさい」は言わない。

黙らせたらダメ。

最初の考えは失敗だ。
出典『まだ運はあるか』

奥さんに「一生懸命仕事をさせてよかった」って思わせなきゃ。

仕事一生懸命やって、期日守って、女の人との約束に会うと本当に幸せ。

「聞いちゃダメ」

人に聞くのではなく、自分でやってるうちに気付く。それまで繰り返す。

人

奥さんと子供たち
欽ちゃんの奥さんは、貧しかった時代支えてくれた浅草フランス座の元ストリッパー。
欽ちゃんが
「あなたが僕を幸せにしてくれたんです。だからあなたも幸せになってもらわないといけないんです。どうしたらあなたは幸せになれるんですか？」と聞くと、「結婚しそびれたから結婚したい」と言われ約束する。

しかし奥さんはその後欽ちゃんの成功に気後れを感じ行方不明になる。

欽ちゃんは執念で探し出し、見つけ出して自ら迎えに行き約束を果たし結婚した。

男の子が３人いるが、子供たちが喘息気味だったために厚木のほうに引越しをしている。
出典 www.gettyimages.com

昭和51年7月結婚会見
「すみません、ボク、もう結婚しています。子供もいて、今７ヵ月です。浅草で13年前に知り合い、ボクをずっと支えてきてくれた年上の女性です。
子供があまりかわいくて、一緒に外に連れて歩きたくてしかたないんです。それで発表させていただくことにしました……」

当時芸人をストリッパーが食わして、売れてから恩を返すように、そのまま結婚することは珍しくなかった。長門勇、谷幹一、東ハ郎も同様。芸人の男気ですね。

明石家さんま
テレビの申し子としての後継者。

自宅に飾ってある唯一のサインがさんまのもの。

欽ちゃんは暗い生い立ちや、私生活の暗い部分を話さないところがあり、さんまの私生活を無理やり面白おかしくしてしまうところに共感しているのかもしれない。

共にジミー大西を評価している。

初代ＢＩＧ３は欽ちゃん・たけし・タモリ。さんまは欽ちゃんの入れ替え後継者。

欽ドン・明石家さんまと萩本欽一の共演