【今だからこそ】松下幸之助の提言【小学校中退】
……9歳で奉公に出てから、多くの事業を成し遂げるまで、その生涯はわれわれに必要な知識と感動を与えてくれる。
教え~丁稚として商いを学ぶ
学問・知識が道具であることを認識して、とらわれず、生かさなければならない。自分が使いこなせるように成長すること。『人生心得帖』
高校球児のように炎天下に飛び出して汗を流せば、さわやかさや生きる喜びも味わえる。『人生談義』
一休さんは人を見て法を説くという。『人生談義』
功徳天(幸福の女神)と黒闇天(不幸の女神)は連れ立って歩いている仲の良い姉妹だ。学校も行かず奉公に出たという不幸も、事業のときに役に立った。『人生談義』
苦しい思いをすると心が弱くなってしまう。『人生談義』
そんな時には高尾を買った久どんの話『紺屋高尾』にはげまされる。
百聞百見は一験にしかず。『人生談義』体験について
加藤清正も城攻めをやったからいい城が作れた。
一日の行動の中に失敗や成功を見つけて、かみしめる。それが貴重な体験となる。
エジソンは自分でいろいろ観察し、そこに師を見つけ出したという。『思うまま』
100歳近い彫刻家・平櫛田中「自分の修行は嘘だった。習い始めの5年10年はものを木に移さないといけない。器用にやりすぎた」『人生心得帖』
自らを認める~創業 夫婦の協力・サービス
心は如意棒のように伸び縮みする。『思うまま』
信念を持って仕事せよ。弱い自分を自覚して励まそう。
恐れていては病気はついてくる。病気とも仲良くしないと。『思うまま』
事の成否はその人の意欲にかかっている。『思うまま』
成功とは天分を生かしきり、使命を遂行すること。豊かになったのに不満をかこち、不安に悩む人が多くなったのは、この成功観が揺らいでいるからではないか。『人生心得帖』
天分を見つけることは難しい、しかしそこに人生の味わいがある。見つけるコツは、強く願うこと・素直な心を持つこと。
大きな勇気を持って素直になること。そして困難や原因を認識・反省すること。『思うまま』
心を開いて人生を豊かにするのは、一瞬の悟りでいいのではないか。
素直になって利害や感情・欲望のとらわれにならず、その本当の姿を見るように心がける。『人生談義』
素直の初段を目指す。
求めのないところに仕事は成り立たない。世間が必要としていることに誠実に取り組んでいくことが役に立つこと。仕事は自分のためだけではなく尊いものだ。『人生談義』
働く理由はお金だけでなく人間生活の向上のためでもある。『人生談義』お金について
その人の仕事に社会的価値があれば、ふさわしいお金がついてくる。
持ちすぎるとお金は目的以外に使ってしまう。
堅実な生活をしているところに積極的に売る。お金の価値を知っているから。
お金の使い方は人格を反映するもので、難しい。
銀行が「使ってください」は危ない。
一部の人しか誤解はしない。誤解を生ませたことを自己反省のきっかけにすべき。『思うまま』
積極的に明るく物を見ようとして、苦労はない。自分のための苦労、と思い直していた。『人生談義』心豊かに
自分をしかりつける上司を師と見ているか。
このあたりの土地はボクのもの、店も人も。だけど料理がおいしくて、みんな一生懸命やってくれたからお金を払っていく。僕のものだから払わなくていいけど、お礼に。……そう思うと気分がよくなりませんか?
目上の人や、自分のいたらなさなど、謙虚な態度に通じる怖さはもっと感じてもいい。ありがたみを忘れてはいけない。『人生心得帖』
ポケットに一万円入っていても、気付いていなければ価値がない。『人生談義』自分の値打ち
短所にも長所にもいたずらにこだわることはない。どちらにしろ天与の特質と考えれば貴重なものと思えるのではないでしょうか。
人間のために、あらゆる物が存在する。『思うまま』
物の価値をどう捉えるかで、人生も変わってくる。
この世に存在する物は全て人間の生活の役に立つ。生かすように努めたい。『人生心得帖』
物がしゃべったらなんというだろうか。今の時代のものたちは「せっかく生まれてきたのに邪険にされる」と嘆いているだろう。『人生談義』
物の価値を正しく認識し、価値に不足も、行き過ぎることもない適切な処遇をする。物を生かすということは、人間のみが出来ること。
出典 人生談義
責任を強く感じているか。納得いかない製品を出していてはいけない。『人生談義』
みんなが安いものが買おうとしすぎる。『思うまま』
実力にあった大きさの商売を心がけるべきだ。
商店は、商品に魂という精神的加工をほどこしている。
「魂がおまけについてきます」『人生談義』
運命と思ってあきらめて、他の道はないと知ること。『人生談義』役割について
人間は平等、相助け補う。
それぞれの天分が発揮されることで、百花繚乱の姿が見られる。自分本来の姿を忘れるところに不幸があるのではないか。
人間にはそれぞれひとつの天与の特質がある。その才能を最大限に発揮できるときが充実感や喜びを感じることができ、それこそが人間としての成功ではないか。
生きがいは多様であっていいものの、仕事に生きがいがあることは間違いない。『人生心得帖』
夫婦仲がいいところは信用できる。夫婦は褒めあい、信頼を伝え合い、いたわりあっていくこと。『人生談義』
幸せとは、『人生談義』
・自分が感じること
・人にそれを褒めてもらうこと
・人間共有の正しい進歩向上の役に立てること
成らぬものに力をいれ、無理を重ねたり、成らぬと思い込んで努力を怠り絶望することがある。『人生談義』成るもの
フォード「いい技術者ほど(出来ないという理論)を知っている」
常識や何かにとらわれ、成らぬものにしていることが多い。しかし理にかなったことであれば必ずなるものである。
人間は磨けば光るダイアモンドである。その偉大さに気付かず、弱くて信頼できないもの、わがまま、争いを好むものと思っている。そこに混迷の要因がある。人間の本質に目覚め、自信を持つということが大切だ。『人生心得帖』人間とは
ありのままの感情的な人間の姿を、少しでも抜け出して苦悩からとかれたい。そう考えるのも人間の尊い姿。『人生談義』
欲は生きんとする力が形となって表れてきたもの。人間は欲があることに感謝すべき。『人生談義』
欲を悪いものだと決め付けず、うまく生かす工夫が必要。「欲に生きるが、欲にとらわれない」
人間関係の中で生きている喜びと感謝を持ち、つながりを大事にして、力強い真の人間関係を作っていく。『人生談義』
縁とは個人的意志を超えた、妙味。
人生とは生産と消費の営みである。それは精神面での生産と消費の活動でもある。意義ある人生のためには必要なことだ。そうして社会全体に好ましい向上が生まれ、誰もが悔いのない人生をかみしめられる。『人生心得帖』人生とは
自分の一日が良い生産、良い消費かを省みることが、人生の充実につながっていった。
成長~経営の神様 熱意・信念
先見の明は大事なことのひとつ。『思うまま』経営について
社長は社員に対して適切な要望を強く持て。
会社は大きくなるほど血が通わなくなる。常に若々しさを。
人を増やせば仕事が楽になるわけじゃない。新入社員を入れても、まだ仕事は出来ないし教える手間がかかる。
合理化は、過重労働を導くものであってはいけない。合理化の目的は、社員が適正を発揮し、楽しく楽に仕事ができるように、組織や仕事の進め方の能率を上げることではないか。
経営のコツは自分で会得するしかない。
従業員であっても経営のことを考え、コツを見つけようと努力する。『人生談義』
単なる仕事ではなくひとつの経営として捉え、働き甲斐や成果を挙げていく。
会社の信用は、資本や技術だけではなく、社員ひとりひとりが使命を理解し、熱心に和気あいあいと働いていることから生まれる。『思うまま』
人材は、会社の目的・使命観がはっきりして、経営の理念が打ち立てられていてはじめて育てていける。『思うまま』
正しいという信念と熱意が根底にあって説得力は生まれてくる。『思うまま』
言うべき人が言い、成すべき人が成す。それが実行されて舵取りはうまくいく。『思うまま』
人間には適度・適正があるだろう。見極めることは難しいが求めていくことが大事だ。
雇い入れた人にも、秘密の大切な仕事だと話して教え、思い切って任せる。信頼にこたえて誰も外へは漏らさなかった。『人生心得帖』
友人から「喜びやありがたさを忘れている。今の恵まれた境遇のせいで、たとえば生きていくために空気があること、といったものをありがたいとは思っていない。だから寂しさに陥る。君は憂鬱病だ」『人生心得帖』
不安や怒りで心が暗くなったとき、感謝の心を忘れていないか自問自答する。
人間として一番、尊いのは、誠実に最善をつくしつつ、自らをも生かしてゆく態度。『思うまま』
信念に基づいて判断すべきだ。軍師の言うことや多くの人の考えには従わなくていい。『思うまま』
知識にとらわれてしまうことから、事がスムーズに運ばなくなることがある。出来ることからひとつひとつやっていくべきだ。『思うまま』
努力して成果があがることが普通だ。しかしそれがうまくいかないとき、心を乱さずじっと耐えて尽くしていくことが大切なのではないだろうか。『思うまま』
志ある限りあきらめてはいけない。心の弱いことでは成し遂げることはできない。辛抱強く努力を重ねる。『人生談義』
人生を耐えて時を待つ。そうして好ましい結果に結びつくことは、少なくないのではないか。
人間には幸福があるものなのか、ないものなのか。それはどうでもいいこと。問題は、どちらの立場で生きるつもりなのか、ということ。『人生談義』
辛抱を重ねて名人になった、そういう人は多い。『人生談義』
他人に対し、自分から見てよくない点があるとき、直して喜んでもらうにはどうしたらいいか。
力強い仕事や進歩のため、不満と向き合う。
「よく聞いてくれた。実は一言言いたかったんだ」そういわれることが多い。『人生心得帖』
喜んで聞くべきだ。……陰で言われないために・自分の成長のために。『思うまま』
自分の適性や力を正しくつかむため、他人と接するように自分を外から冷静に観察してみる。『人生心得帖』
職場は人生の同情である給料や地位だけでなく、人間として職場の中で自分の個性を発揮できるようにしていくこと。『人生談義』
かけがえのない人生を仕事を通じて自分の力で充実したものにしていくことだ。
常識とは先人の知恵の積み重ね。そこから解放されるには熱意が強く要請される。『人生談義』
2階にどうしても上がろうとしたからはしごを考えついた。
常識を破るためのものは世間に迷惑をかけるが、熱意の発するところ次々新しい着想が生まれ必然的に常識が破られていくものは価値を生む。
これまでこそが最良と、つい思い込んでしまう。(日に新た)であるべきだ。
日本人の伝統精神を生かしながら、外国から学んだものより高いものを作っていく。『思うまま』
無理して国産を買わなくても、良いものを買えばいい。我々は価値あるものを作っていこう。
不良をなくすことを考えて、別の欠陥の発生を計算外にしていることがある。『思うまま』
困ると頭を抱えるばかりでなく、悪いから良くする。困らないようにする。『人生談義』
困っても自分で切り抜ける。そんな自主自立が理想の姿だ。『思うまま』
流動性が高くて困った時代だ。頼るものがなくて不安だし、動揺してしまう。だが、工夫できる楽しさがある。
理に反しないこと、つまり無理をしないことが大切だ。それは雨が降れば傘を差す、というようなこと。『人生談義』
理に従い、平凡なことを当たり前にやる。商売・経営の発展の秘訣。
集金をなにかと怠り、借金して間に合わせようとしたりする。実は会社は多くの理に反したことをしているものだ。
「鳴かんずば それもまた良し ホトトギス」鳴くにこだわっていたらうまくいかないと思っている。自然の姿を認める、ということ。
サービスを受けるより、するほうが多くなっているか。『思うまま』
見返りを求めるわけではないが、サービスは先出し。相手を信用する。感謝・報恩がなければ人間の価値はない。『人生談義』
サービスに力を入れているところは、商売もうまくいっている。
サービスのない商売は商売ではない。商売人の義務ともいえる。
仕方なしに働いていれば疲れるし、客にも伝わってしまう。
サービスしあう。それは世の理。世間はそうして成り立っている。
多くを受けたければ与えればよい。
社会に対して 社会貢献
浅草寺のちょうちんも松下の私費を寄進したもの。多額の寄付が出来るすごさもあるが、宣伝効果を考えると目の付けどころがうまいとも言える。(画像wikipediaより)
戦争によって進歩を得るとはなんと知恵のないことか。人間には戦争をしなくても、進歩・発展を得る道があるはず。その道を衆知を集めて探していこう。『思うまま』
ライオンのような暴力的な秩序が起こらないように、協力すべきだ。『思うまま』
経済の成長と共に物価は上がる。しかし生産性が上がれば物価は下がっていく。『思うまま』
景気・不景気は政治や考え方私大で変えられるような時代になるのではないか。
少ない農業従事人口でまかなえるように出来ないか。『思うまま』
人間は本来互いに許しあって睦みあって、共に幸せに暮らしていけるようになるべきだ。『思うまま』
社長というものは、何より熱意と誠意だけはその会社において、一番のものを持っていないといけない。社長にそれがあれば、社員もそれを感じて自分の特技を提供し、働いてくれる。『人生心得帖』
人間には利害で動く(勘定)と、利害では動かない(感情)がある。『人生談義』
礼節は教えられないとわからないものだ。衣食が足りていれば、守られやすい、ということは言える。『思うまま』
従いつつ導くというやり方をする。どう思うか・やってくれるか、と提案すると相手の意志が加わる。人間は自分の意志で行うときに一番喜びを感じるものだ。相手の自主性に従いながら、導いていく。『人生談義』
若者は先輩に魅かれるもの。人間とは・人生の意義とは、を語るべきだ。『思うまま』
年齢によって発揮する持ち味が違う。『人生心得帖』
男女は異なった役割があるそれぞれに尊い。
今の子供は父親の人生観が弱いために迷っている。そのため子供は欲望を善導されないまま成長してしまう。
親だってよりよく生きる道を探すべきだ。
社内に働いてくれるが悪いことをする人がいた。しかし世間にはそれ以上に悪いことをして罰せられている人や、それほどでないために罰せられていない人が大勢いる。彼らは日本から追放されずにそこにいる、それが日本の姿だ。だとしたら、いい人だけ使って仕事をするというのは虫が良すぎる。『人生心得帖』し……しびれた。
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